標高差:1,247m
累積標高差:1,949m
新潟県糸魚川市大所
登り:7時間30分
下り:45分(朝日小屋まで)
トータル:8時間36分 (朝日小屋まで、休憩時間含む)
ウィキペディアから
中部山岳国立公園内の北アルプスの最北部に位置し、富山県側の旧下新川からは東側に見える。
日本国内では朝日岳より北にこれより高い山はない。 積雪量が多く、山頂付近には夏でも雪渓が残る。
山頂は平坦で豊富な高山植物が見られる。 日本海沿岸の親不知から朝日岳には、
栂海新道(つがみしんどう)と呼ばれる、海抜0mと山頂とを結ぶ長大な登山道がある。
Road Map :北陸道を糸魚川IC下りてR148を南下し、平岩から県道505号線に入り、道路終点まで走る。
Route Map:蓮華温泉の登山口から兵馬ノ平を経由して朝日岳から朝日小屋に入る。
『日本三百名山』 お花畑の中、木道で整備された歩き易い登山道が続く。
今日の同行者
一緒に行動した訳ではないが、俊足御夫婦は俺が小屋に着いた時には余裕でビールを呑んでいた。 横浜からの35歳の青年は登りでバテて俺より1時間送れ、おばあちゃんハイカーは更に1時間遅れて小屋に着いている。
二人共、無事に着いて良かった。 石川の御夫婦は
”白山”が庭であり、 ”劔岳”には早月尾根を日帰りするのが普通らしい。 横浜からの
青年は仕事で朝日岳に来ており、登山道のチェック、レポートが仕事らしい。 朝日岳には
3度目らしい。 鈍足のおばあちゃんは日本二百名山を既に達成されており、”毛勝大雪渓”を軽アイゼンで登られており、カムエクもテント泊で登ったとか。尊敬出来る大先輩だった。
マニアックな山に来ると凄いハイカーばかりで面白い。
朝日岳
予想はまったくしていなかった広大なお花畑には驚いた。 これまで登った山で、これ程広いお花畑は経験無く、花期は外れているのに充分なお花が見られた。 山頂まで7時間30分、累積標高差 1,950mならば馬場島から早月尾根を劔岳に登るのと変わらない。 数値的にはそれ程のきつい山になるが、日帰りは出来そうだ。
蓮華温泉P |
鉱山道分岐 |
橋を渡る |
橋を渡る |
花園三角点 |
湧き水 |
朝日岳 |
5:15 |
5:31 |
6:31 |
7:31 |
9:22 |
9:33 |
12:45 |
前日の移動
夏以降、異常な程の不安定な天気だったが、長野北部、新潟方面の天気が少し良さそうになって来たので、
雨も覚悟で出掛けてみる。 自宅から蓮華温泉の登山口までは500kmを越える距離があり、休憩も含めて
7時間掛かり、5時過ぎに蓮華温泉の駐車場に入り、そこで車中泊とする。 夜中にはスーパームーンが見られた。
〔243〕朝日岳 (2,418m)
あさひだけ
10分程歩くと ”キャンプ場”の横に出る。ここまでは車通行禁止
なのだが、停まっている車は関係者のものだった。
聞く話しでは、ここのキャンプ場は快適らしい。
蓮華温泉の駐車場はまだ暗くて写真を撮らなかったが、駐車していた
のは10台程度。 全ての方は蓮華温泉ロッジに宿泊されている様だっ
た。 夜中はスーパームーンでヤケに明るかったので午前中は天気が
持ちそうだ。 朝の気温は12℃、5時15分に出発する。
まずは蓮華温泉ロッジの横を通り登山道に入って行く。
登山道は木道で整備されており、朝露に触れることなく
歩くことが出来た。 雑木が茂り展望は無し。
”朝日岳登山口”へのしっかりした道標があり、
安心して進むことが出来た。
16分で分岐に着くが、ここから雪倉岳?と地理感が利いておらず、これが
”鉱山道”の入口とは気付いていなかった。 取り合えず ”朝日岳”方向に向う。
登山口からは下り一方で、どんどん下って行く。
木道で整備された道であり歩き易いが、湿った木道は滑り易い
ので気を付けねばと思った瞬間滑って転んでしまった。
”アヤメ平”に出ると前方に ”朝日岳”が見えた。
”アヤメ平”はお花畑になっていたが、季節的には終っており、一部のお花が残っているのみだった。
季節が良ければさぞかし綺麗だと思う。
”兵馬ノ平”に分岐があり、”かもしか展望台”方向を示して
いたが、 ”かもしか展望台”に行く価値があるのか判らないので、
”朝日岳”方向へ進む。 時間的にも寄り道する余裕はない。
更に下って ”兵馬ノ平”の湿地帯に出ると、
まだアザミ、トリカブトの花が残っていた。
足取りの遅い先行ハイカーは山ガールではなく、おばあちゃんハイカーの様だった。 ザックは色褪せており相当のベテランハイカーに見えた。
登山道はどこまでも下って行く。 朝日岳を日帰りするには、
最後の最後にここの登り返しがあり、日帰り登山は相当疲れる
だろうと思った。 前方に人影が見え出した。
今日のトップバッターは自分だと思っていたのだが・・・
1時間16分にて ”瀬戸川”に掛かる鉄製の橋を渡る。
登山口からこの橋まで下り一方だった。 橋は吊橋でないので安心
して渡ることが出来た。 この先でおばあちゃんハイカーを抜く。
登山道をどんどん下ると、”瀬戸川”を渡る橋が見え出した。
同じく橋から下流側を見る。
橋の真ん中から ”瀬戸川”の上流側を見る。
エメラルドグリーンの沢水がメチャクチャ綺麗だった。
橋を渡るとやっと登りに転じた。 1時間以上が過ぎてやっと山登りの始まりだ。
ひと登りすると前方が開け ”五輪山”と思われる山が見えた。
ここからは標高差1,200mの山登りの始まりとなる。 おばあちゃんハイカーを
抜き際に少し話ししたが、新潟から来られた方で、相手の言葉が判り難く、こちらの
言っていることも判り難い様で会話にはならなかった。
登山道に自然の ”ヒノキの大木”が聳えていた。
普段、植林帯のヒノキしか見ていなかったので、
この男らしい自然のヒノキが凄く新鮮に見えた。
ぬかるみ帯には木道が整備され、登山靴を汚すことはなかった。
全体としては平坦な樹林帯を歩く様になる。
2時間09分で地図上の目印になる ”ひょうたん池”に着くが、
”ひょうたん池”自体も樹林に覆われて、水面が少し見えるだけ
だった。 覗き込んで見たが、単なる汚い水溜り程度だった。
道標には ”白高地沢のぞき”と書いてあったが、
樹木が茂り過ぎて何も見えなかった。
”白高地沢橋”の真ん中から上流側を見ると、どれがどの山か判らなくなってきた。 多分、左奥が ”朝日岳”だろう。 橋を渡った所で休憩する。 朝飯休憩していると、横浜から来られたソロハイカー(実は仕事)と途中で抜いたおばあちゃんハイカーも追い付いて来た。
”ひょうたん池”から少し下って2時間16分にて ”白高地沢”に
掛かる橋を渡る。 ここの沢水は硫黄泉の影響か?白く濁っていた。
上流側に重機が入り工事をしていたので、それの影響かも知れない。
橋の構造は ”瀬戸川”に掛かる橋と同じく鉄製だった。
休憩ポイントから西方向を見ると、明日登る予定の ”雪倉岳”が綺麗に見えていた。
明日もこの天気が続いてくれれば良いのだが・・・
2時間経ったここまで殆んど下りと水平道だったので、本格的な登りはここがスタートだろう。
”白高地沢橋”からは登りに転じて ”カモシカ坂”に入って行く。
木製階段で歩き易く整備されているのであるが、勾配のきつさは変わらない。 横浜からのソロハイカーに
道を譲る。 彼はこの先でバテてしまうのだが・・・
”カモシカ原”まで頑張ると展望が開けた。
そして遠くにスタート地点の ”蓮華温泉ロッジ”が見えた。
あのロッジから ”瀬戸川”まで下ってからの登り返しなので、何て不合理な登山道なんだろう。
一番に目に付いたのが ”カライトソウ”。
”カモシカ原”は一面のお花畑であり、花期には遅過ぎる
このシーズンでもお花は残っていた。
お花畑の向こう側の ”五輪山”方面を見る。
4時間07分にて ”花園三角点”に着く。
三角点があるだけでピーク感はまったく無し。
”花園三角点”からは緩やかに下り、緩やかに登り返す。
ガスが上がって来た。
”五輪高原”の広大なお花畑。 どこまでも伸びる木道が素晴らしいが、
こうして見ると木道はハイカーの為ではなく、高山植物保護の為の様だ。
左方向(西側)の ”雪倉岳”にもガスが上がって来た。
ここまで天気だったので、後は雨さえ降らなければどうでも良い。
”五輪高原”の休息ベンチで俺を抜かして行った石川からの俊足御夫婦と横浜からの
若いハイカーが休息していた。 右側に美味しい湧き水があると教えて貰う。
湧き水は冷たく美味しかったが、ここでは休息せずに先を急ぐ。
右先に見えているのが ”五輪尾根”だろう?
再び ”カライトソウ”。
園芸種のアスチルベに似た
”シモツケソウ”。
群生が綺麗な ”キンコウカ”。
更に上方にもお花畑が広がっていた。
振り返ると登山道と離れた所まで広大なお花畑が広がっていた。
朝日岳が ”花の百名山”に入っていないのは大きな間違いでは?
”マツムシソウ”は綺麗なのだが、その種も園芸種の
ガイラルディアに似て可愛い姿をしていた。
この登山道では珍しく小さい梯子が出て来た。
淡々と歩くのみの石川からの御夫婦は足が早く、付いては
行けなかった。 俺より年上に見えるが、 ”白山”を庭として
いるらしいので、体力度が違うのか。 半面、35歳の横浜からの
青年はまったく付いて来なかった。
”五輪尾根”のトラバース路には岩峰が出て来るが、その岩峰を
登ることはなく、裾野をトラバースするのみ。 既に疲れているので
岩峰登りはしたくない。
ガスが上がって来て、曇り空になってしまった。
この辺りもお花畑であり、登山道沿いはほとんどがお花畑だった。
初めて見た? ”オニシオガマ”。
お花畑の中、木道で整備されたきつい階段道が続くが、お花が慰めてくれた。
3度目の ”カライトソウ”。 今が開花時期なのか?
お馴染みの ”ウサギギク”。
”フウロソウ”の仲間。
馴染みの無い ”クモマニガナ”は花姿と花名が繋がらない。
どこまでも続くお花畑。 7月末〜8月初に来てみたい山だ。
険しい岩峰とお花畑。
”朝日岳”が近付いて来てもお花畑が続く。
再び”フウロソウ”の仲間。
”オタカラソウ”。
高山植物?
こんな所に”アヤメ”が・・・
”五輪尾根”のトラバース路後半は周辺に険しい
岩峰が多くなり、小さな沢も多くなる。
今日は気温が10℃と低く、沢水での冷却が
必要ではないが、暑い夏にこれだけの沢水が
あれば随分と助かると思う。
四たび ”カライトソウ”であるが、華やかなピンクが栄える。
山頂までは後1.3km、 まだ2頑張りが必要だ。
”ミヤマアケボノソウ”は朝日小屋の宿泊者で話題になり、俺も含めて初めて見た。 花名が判らないで盛り上がった。 丁度、朝日岳紹介のVTRが流れ、その中にこの花が紹介されていた。
”ミヤマタンポポ”と ”ニホンミツバチ”。
”朝日岳”方向に少し登り、振り返り ”吹上のコル”を見る。
右側に真っ直ぐ伸びるトラバース路が登って来た登山道。
6時間42分にて ”吹上のコル”に着く。 ここが栂海(つがみ)新道の分岐であり、栂海新道を下山すると15時間で日本海の親不知に出るらしい。 マニアには有名な登山道らしいが、俺には今の所、興味はない。
あれが山頂か?、後少しの登り! と頑張るが、
あっさりと裏切られる。 山はそう甘くは無かった。
見えていたピークを登り切ると山頂ではなかった。
しかもお花畑が広がり、どこが山頂かも判らない。
再び ”マツムシソウ”。
小さな小さな ”ミヤマリンドウ”は
大好きなデザインだ。
園芸種のベルフラワーにそっくりな
”イワギキョウ”これは綺麗だった。
ここまでにも沢山咲いていた
”トリカブト”。
7時間30分にて ”朝日岳”(2,418m)に着く。 俊足御夫婦は既に
下山された様だ。 一人、変な娘がスマホを触っていた。 話しすると
朝日小屋のアルバイターで昼休みにトレーニングで登って来たらしい。昼休みは3時間だけなので、遠くの山までは行けないとか。
お姉ちゃんにシャッターを押して貰う。 ガスで展望が無いので
お姉ちゃんと20分程、無駄話しをして朝日小屋側に下山する。
朝日小屋側への登山道も歩き易く整備されていた。
快適な新しい木道が続く。
下山途中に ”ライチョウ”が2匹居た。
近くに寄っても物怖じしなく、2匹共、子供の様だった。
親鳥はどこに居る?
朝日小屋側の登山道にもお花畑が広がっていた。
下半身から白くなって来ているので、そろそろ冬準備か。
”ライチョウ”なんて出合えて当たり前であるが、
出合えると嬉しい♪
山頂から朝日小屋までは直ぐに着くと思っていたが、意外と長かった。
この辺りにも広大なお花畑が広がる。 ここを ”花の百名山”に登録しておかないと駄目でしょう。
展望が開け、”朝日小屋”が見えて来た。
お花畑の中の木道が白く、はっきりと見えていた。
下山45分にて ”朝日小屋”に到着する。
行動時間は8時間36分となる。
”朝日小屋”では従業員が屋根のペンキ塗り替え中だった。
明日のスタート地点となる ”水平道”の分岐を通る。
朝日小屋周辺一帯もお花畑となっていた。
予約無しで宿泊を申し込むとガラガラなのに予約は必要と有名らしい
名物女将に説教された。 山小屋に予約を入れると余計に
ややこしいと逆らうと、説教が余計に長くなってしまった。
お蔭で顔を覚えて貰えた。 明日の弁当無しの一泊二食で9500円也。
”朝日小屋”から ”朝日岳”を振り返り見るが実際の山頂はここから
見えていない。 ここからは 雪倉岳、白馬岳、小蓮華岳も見えていたが、その後、ガスで見えなくなってしまった。
食事は女将自慢の手作りらしいが、俺に取って手作りであろうが
レトルトであろうが美味ければ何でも良い。 ビールロング缶は800円であり、真夏のビールは必要不可欠であるが、寒い時期のビールの出費は堪える。
因みに食事は美味しかったです。
部屋は六畳貸切であったが、夕刻に一人が入って来て
2人部屋となってしまったが、余裕の広さだった。
落陽は ”前朝日”が邪魔してロケーションが良くなかった。
ここから黒部市街の町灯りが見えていたのには感動した。
落陽の後には ”スーパームーン”が顔を出してくれた。
先入感もあるが、本当に大きなお月さんを見ることが出来た。
2014年度の北陸の山縦走
朝日小屋にて宿泊
2024年6月6日改定
気が付けばお姉ちゃんとの話に夢中になり、山頂の写真を撮るのは忘れていた。